スラムドッグ$ミリオネア

数日前、レイトショーで「スラムドッグ$ミリオネア」を観ました。今年、全世界で数々の映画賞を総ナメにして、米国アカデミー賞では最多8部門受賞した映画。
そういうことで、めちゃくちゃ期待していた1本です。

チェック:『トレインスポッティング』『28週後…』など多彩なジャンルで観客を魅了する、鬼才ダニー・ボイルの最高傑作といわれる感動的なヒューマン・ドラマ。インドを舞台に、テレビのクイズ番組に出演して注目を集めたある少年が、たどってきた生い立ちと運命の恋をボリウッド風の持ち味を生かしながらつづっていく。主演はこの作品でデビューし、数々の映画賞を受賞したデヴ・パテル。底知れないパワーと生命力を感じさせる人間讃歌に息をのむ。

ストーリー:テレビ番組「クイズ$ミリオネア」に出演し、賞金を獲得したジャマール(デヴ・パテル)だったが、インドのスラム街で育った少年が正解を知るはずがないと不正を疑われ逮捕される。ジャマールになぜこれほどの知識があり、この番組に出演するに至ったのか。警察の尋問によって、真実が明らかになっていく。
http://cinematoday.jp/movie/T0007097


最初に書いておきますが、アカデミー賞っていうのは評論家やジャーナリストが選ぶのではなく、映画関係者(映画のプロ)による投票で決まる賞であります。だから、一般の人が面白いと思う作品がノミネートされないことはよくありますし、逆にあまり面白くないなぁ〜っていう作品がノミネートしたり、受賞することがよくあります。
近年の作品賞を見たらわかるとおり、「ミリオンダラー・ベイビー」、「クラッシュ」、「ディパーテッド」、「 ノーカントリー」と大衆向けじゃない映画が受賞することが多いというのはそういう理由なのです。
ですが、今年の「スラムドッグ$ミリオネア」はプロが観ても、一般の人が観てもダントツの1本であったと思います。
無名のキャストに、1400万ドルの低予算の製作費なのに、いったいなんでこんな作品が???って思う人もいると思いますが、観てもらうと理由がわかると思います。

映画の質自体が高いのはもちろんのこと、現在の世界の情勢(大不況)に何かしらのメッセージがあるというところはポイントが高い点ですね。その点が、世界各国の映画関係者にウケて全世界の映画賞に食い込んでいったんじゃないかと思いました。


さて、肝心の映画の内容に関してですが、時間軸がバラバラにしたストーリーに、ラストになるにつれて最高潮に盛り上がってくる展開はなんともバランスが良かった。テンポも良いので、全く飽きることなく楽しめる2時間でした。映像も、さすが過激な映画が得意な監督と言わんばかりに見応えのある映像が数々ありました。あと、映画全体が1つの問題&解答になっているという粋な設定はかなりGOOD!!!最後にグッと持ってたダニー・ボイルには頭が上がりません。
話は「夢を信じ続けるスラム出身の若者の物語」ではありますが、すべての人に希望を与えてくれる映画に仕上がっています。傷ついた今の世界に最高の癒しを与えてくれる映画「スラムドッグ$ミリオネア」。
かなりオススメの映画です。